さて、前編はCES Unveiledを中心にレポートしましたが、後編は


恐らく
日本一偏りのある
CESレポート


をお送りいたします!





後編も「CESと日本」という観点でまとめます。




まず、



今年はJapan Tech Projectとして、民間の会社がチームを組んでCESに大企業~スタートアップまでさまざまな企業を送り込んできました!


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Japan Techのブース、格好いい!



ブースデザインの統一感も素晴らしいし、出展社の顔ぶれも豪華。ユカイ工学さんはQoobo、そしてたぶんCES初出展だと思うのですが、バイバイワールドさんがあのビッグクラッピーを送り込んできました!


来場者と英語でやり取りする様はペッパーのようですが、決定的に違うのがデザインコンセプト。あのビジュアルがなぜか人を惹きつけるんですよね。たぶん初めてみた外国人だと思うのですが、近寄ってしげしげと見ていらっしゃいました。



何を感じていたのかはわかりませんが。




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ユカイ工学のブース



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バイバイワールドのブース




一つだけ、Japan Techで残念だったのが場所。


CESのメインエリアはLVCC(Tech East)とSands Expo(Tech West)で、ざっくりLVCCが大手家電メーカ+自動車+ゲーム、Sands Expoがヘルスケア+ロボット+スタートアップみたいな感じです。
注:Cerevo岩佐さんより、今年からロボットはLVCCに移動したとのことで修正

そして、今回出展されたのがLVCCの南側に新たに新設されたDesign & Sourceというエリアで、LVCCエリアの一角なのでそれ自体は問題ありません。



ところがですね。



今年は従来のSands Expoの1FやLVCCのSouth Hallが整備されてて、これがどうやら今回のDesign & Sourceのエリアに大きく関係しているみたいなんです。

というのも、昨年まではSands Expoの1Fは面積の約半分くらいがスタートアップ向け、それ以外が中国を中心にアジア(台湾・韓国)の小さい部品系や商社系のブースエリアになってました。

それが、今年はSands 1Fは全てスタートアップで埋め尽くされ(出展社が増えたんでしょうね)、LVCCのSouth Hallの部品系の会社のエリアも整理されてClosedな会議室エリアに変わっていました。
注:Cerevo岩佐さんより、会議室エリア面積は変わっていないとのことで修正


そして、そこから移っていったのが、
(恐らく結果的に)Design & Sourceだったんですよね。


実は似たような現象はIFA Berlinにもあって、昨年はHall 25が全部アジアの出展になっていました。何せ、中国特に深圳からの似たような会社の出展社数がすごく多いので、こういう措置も多少わからないではありません。

しかしながら、今回Japan TechのエリアがこのDesign & Sourceの、しかも巨大で細長いDesign & Sourceの一番奥だったんです。


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Design & Sourceエリアは、でかすぎて、一番奥が見えない・・・



これでは、さすがにOEMやODMに関心のない来場者が寄り付きませんよね・・・


CESは出展エリアこそ多少選べるものの、特にこんな新しいエリアだと状況もよくわかりません。ロケーションそのものは悪くなかったのですが、CESの全体から見たときにこのエリアがこうなってしまったんじゃなかろうかと思います。


是非、来年の飛躍に期待しますし、お手伝いできることがあればお手伝いします!







次に、スタートアップエリアが増えたSand Expoの1Fに注目してみましょう。こちらには、Japan Techのコンセプトで各国のスタートアップが集まっているエリアがありましたので、簡単にご紹介します。


1. 台湾

下の写真が台湾エリアです。結構たくさんのスタートアップが小さなテーブル1つで出展するスタイル。でも、スタートアップはそんなに出展物がないケースが多いので、むしろ小さくコンパクトな方がありがたいケースも多いです。

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台湾エリア/右に見えるポスター展示程度のものが周辺に沢山あるレイアウト

真ん中のフリースペースは人の導線を考えるとデザイン的に無駄かなーと思いますが(もしステージを作るなら外向きがベター)、他のアジアがDesign & Sourceに集中する中で、アジアとしての存在感を出していました。


2. イスラエル

新技術に国を挙げて積極的に投資をし、技術立国で成功しているイスラエルが、今年は気合を入れて出展していました。


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イスラエルエリア/一覧を置いて中に誘導するスタイル


ITだけでなくハードウェアの展示も目立っていて、個人的に興味があったのはパラメトリックスピーカーを使って平行ではなく集音して人の両耳を狙って音を飛ばす技術。スイッチ一つで通常モードと切り替えられます。

上の女性は通話相手のようなイメージで、下の私の耳に×点があるのが狙っているポイント。自動車での利用をイメージしたデザインになっていたのは、自動車のテックが盛り上がってるからでしょう。そういうところも外してません。

ちなみに、パラメトリックスピーカーは美術館などで実用化されてますが、この両耳を狙う技術はこういう使い方よりも、わざと音響効果に左右差を付けて、三次元空間音響をこのテーブルトップ型スピーカーで実現するのが面白いんじゃないかと思いました。

そういう音響サービスが一般家庭で普及するかは正直わかりませんが、没入感がキーワードになっている昨今の流れからすると、ヘッドフォンレスな没入感サウンドって少なくとも新しさはありますよね。



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耳を狙って音を飛ばすイスラエルのNoveto


3. オランダ

オランダは今年たぶん初めてこんなに気合を入れてきたんじゃないかと思います。


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大手メーカのPhilipsはオランダの会社ですし、Holst Centreのような有名な研究機関もあり、アイントホーフェン工科大など技術力の高さには定評があります。


中でも私が気になったのが、hugsy。隣にお母さんの心音のようなものを出すスピーカーを置くだけで、赤ちゃんが5%くらいよく眠るようになったとか。



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オランダのBabyTech、hugsy



でも、このhugsyはデザインが優れてますよね。赤ちゃんをくるんでるやつは生地がたぶんすごく肌心地がいいんだと思います。そして、少し「くるまれてる」感じの圧力が反って安心に繋がるんじゃないかなーと思います。

敢えて「異物」であるスピーカーは体から話しているのも、「くっつけることもできるけどこれでいいでしょ」っていう意図がはっきり見えます。


素晴らしいです。


ですが敢えて、うちなら服で赤ちゃんのモニタリングができますので、ついでに(?)このようなスピーカーと、さらにおまけに振動も少しつけてあげたら、赤ちゃんはよく眠るようになるのかなぁ・・・?
(これを研究したい大学の先生、いらっしゃいませんか???)



4. フランス

最後ははい、もう「なんも言えねぇ」。存在感Maxの


La French Tech


です。


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La French Techエリア/壮観・・・


La French Techは、このエリア内以外にも独自にブースを抑えたと思われる会社にもロゴ表示をしてもらっていて、それによって離れたところも目に付くし、離れたところで見つけた人がエリアでも足を止めるという状況を上手に作ってます。

これがブランディングですよね。初めのころはここまで大きくなかったけど、これだけ存在感があるとそれ自体が集客になり、集客が出展社を呼びこむという好循環を作っています。



さすがはブランド大国、フランスです。



5. 日本

さて、日本はと言えば、実はJapan Techの前から毎年、JETROさんが日本の中小企業の出展エリアを取りまとめていらっしゃいました。

しかも、昨年まではSand 2Fで大手ブースにやや埋もれてたのですが、今年は1Fに移ったことで1社ごとのブースサイズ的にもバランスが取れる・・・はずが、各国はレイアウトをまとめて取ってデザインしてきた上(昨年まではたぶんこれはやれなかった)、Japan Tech Projectと出展社を分け合う格好になってしまって数が少ないことから存在感が薄まったんですよね。

それでもせめて、ロゴやバックバナーなどのデザイン要素で統一感を出すことはできたかもしれないのですが、そこまでしなかったために通常の出展とあまり変わらなくなってしまいました。

JETROさんとしてSand 2Fから1Fに移られたのは英断だと思いますし、何もしなかったわけではなくて、純粋に戦略競争で負けたとしか言えません。







個人的には、このようなとりまとめをJETROのような政府系がやるべきなのか、Japan Tech Projectのような民間系がやるべきなのか、というつまらない話ではないと思っています。

新技術で新市場を取りに行くのに、CESが本当にベストの場所なのかも正直わかりません。

しかしながら、CESから世界中に情報が発信されることを考えると、メディア戦略としてのCESは軽視できません。

後は、「日本スタートアップがフランスに本社を移してLa French Techになる」みたいな戦略を除けば、「日本」という括りを設けることを妥当であると認め、その括りの中でどう費用対効果を最大化するかが課題になります。


既にブースを取っているXenomaがそういうエリアにブースを設けることはありませんが、同じSandsの中で相互に存在感を高めることに協力するのは大歓迎ですし、そのために必要なノウハウ提供があるなら、喜んで協力させていただきたいと思います。


ただ、強いて希望を上げるなら、


  • 大企業からの協賛を含む参加は非常にいいと思うが、出展するならSamsungのSAPのように出展チーム自体が大企業名ではなくプロジェクト名で参加すること

  • コンセプトを日本向けでなく、海外向けに発信することにもっと注力すること(例えば海外コミュニティを積極的に使うなど)

  • 「JETROがいるから・・・」のようなことなく、国も地方自治体もうまく巻き込んで、逆に特定の色のないジャパンブランドにすること


を目指していただけると、すごく協力しやすいです。


最後に、「負け」とか「残念」とか書いちゃって申し訳ありませんでしたが、時間は戻らないし、そういう経験を踏まえることが進歩に繋がると思って少しきつめに書きました。お気を悪くされたら申し訳ありません。

むしろ、今回取り組まれたJapan Tech Project様、JETRO様(確かChicago事務所が独自でやってたのだと記憶しています)には、その挑戦に感謝と賛辞をお送りしたいと心から思います。



2019年、

やったりましょー!



ここまで書いちゃうと、
それでなくても忙しいのに
手伝わなきゃいけなくなるから大変なんですが、
でもやっぱりやらないといけないと思うんですよね。


〇さんとか△さんとか◇さんとか、
既に出展経験豊富な皆さんも乗ってくるといいなぁ。